特別展「琉球」@東京国立博物館に行ってきました。
沖縄というと皆さんはどんなイメージがあるでしょうか? シーサー? 青い海? 首里城?
特別展「琉球」を見れば、沖縄の長い歴史と豊かな文化を知ることができます。琉球王国時代の歴史資料や工芸作品、国王であった尚家に伝来の宝物、琉球王国ができる前の遺跡から発掘された文化財も出品されます。国宝も数多く出品されています。
特別展「琉球」 章構成
特別展「琉球」.の章構成は、以下の通りです。
- 第1章 万国律梁 アジアの架け橋
- 第2章 王権の誇り 外交と文化
- 第3章 琉球列島の先史文化
- 第4章 しまの人びとと祈り
- 第5章 未来へ
「祈り」の文化
この展覧会を通して私が感じたことは、琉球という国は「祈り」の文化なのだということでした。
琉球王国には「ノロ」という神女さんがおり、その頂点の「聞得大君(きこえおおきみ)」は、代々王族の女性が任命されていました。
国王も入ることのできない神域もあり、「ノロ」の人々しか立ち入ることのできない場所もあったようです。
そして、ノロの人々や聞得大君の権力を象徴するような展示物が「聞得大君御殿雲龍黄金簪」です。
下記のリンクは、東京国立博物館のブログになります。「みどころ2」に「聞得大君御殿雲龍黄金簪」の画像が載っています。
https://www.tnm.jp/modules/rblog/index.php/1/2021/12/10/ryukyu_1/
これだけ細かい装飾。いかに聞得大君が琉球王国で権力を持っており、大切にされていたかが分かります。「祈り」というものが、琉球の人々にとって大事なことが窺えます。
琉球の祈りの文化について理解を深めたところで、ふと思うことがありました。それは、国の平和と国民の幸せを願う現在の「皇室」です。
皇室では様々な神事が行われています。例えば、勤労感謝の日の11月23日に行われる新嘗祭(新米がとれたことを神に感謝し、国の平和、国民の繁栄を祈る祭り)では、夜通し儀式が行われています。国の長が国民のために祈りを捧げる。琉球王国と日本は別の国ではありましたが、共通の文化を持っていたのだと感じることができました。
国宝がいっぱい!
第2章の展示室には、国宝が集められている部屋もありました。写真撮影OKだったので2つ紹介します。
「美御前御揃」は、錫製の瓶の上から色とりどりのガラス玉を編み込んだ酒器です。隙間が小さくなるように、あえて不揃いのものを使って編み込んでいたそうです。ガラス玉を使った酒器なんて見たことがなかったので興味を惹かれました!すごく細かくて、これだけ編むのにどのくらいかかるのでしょう!?琉球の工芸品へのこだわりが垣間見れます。
沖縄らしい水色の着物。琉球では、蝶は精霊であり、神聖な場所に現れるとされているそうです。本当に美しい着物です。
今まで知らなかった沖縄の歴史と文化に触れる事のできる展覧会でした。沖縄復帰50年記念だからこそできた展覧会だと思います。東京では会期が終了してしまいましたが、九州ではこれからです!下記に概要を載せるので、九州の皆様、ぜひ行ってみてください。
概要
会期:2022年7月16日(土)~2022年9月4日(日)
会場:九州国立博物館
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで) 毎週金・土曜日は午後8時まで夜間開館(入館 は午後7時30分まで)
休館日:月曜日(ただし7月18日〈月・祝〉、8月15日(月)は開館、7月19日〈火〉は休館)
料金:一般 1900円 高校大学生 1200円 小中学生 800円