江戸絵画の華@出光美術館に行ってきました。
こちらの展覧会は第1部第2部と分かれています。
- 第1部 若冲と江戸絵画 2023/1/7~2023/2/12
- 第2部 京都画壇と江戸琳派 20232/21~2023/3/26
「江戸絵画の華」展の概要を見ていきましょう
「江戸絵画の華」について
2019年、出光美術館にエツコ&ジョー・プライス夫妻(プライス財団)旧蔵の江戸絵画コレクションが加わりました。
「江戸絵画の華」展では、コレクションの約190点の中から約80点を厳選して2期に分けて公開します。
第1部は伊藤若冲を中心とする画家たちを紹介しています。
近年、押しも押されぬ人気画家になった若冲は、プライス・コレクションによって見いだされたと言っても過言ではありません。若冲といえば、鮮やかな彩色が特徴に挙げられますが、今回は”墨画”を見ることができる貴重な機会になります。そして磯田湖龍斉の「雪中美人図」も必見です。
久々の里帰りを果たした作品たち。
ふるさとの私たちを大いに楽しませてくれるに違いありません。
江戸絵画の華 第1部 章構成
「江戸絵画の華」展第1部の章構成は以下の通りです。
- 生きものの楽園ーようこそ、プライス・コレクションの世界へ
- 若冲の墨戯ー絵筆による冒険
- 浮世と物語ー躍動をかたちに
次に、第1部のみどころを紹介していきます。
みどころ① 若冲の墨画
プライス・コレクションの特筆するべき点は、若冲の墨画が充実していることです。
若冲と言えば、”鮮やかな色彩”
白と黒だけの世界が若冲にあったことが驚きです。
色彩を排除したことで、若冲の奇抜さが浮き彫りになります。
それが一番表れている作品が、「鶴図押絵貼屏風」です。墨画で様々な方向から鶴を描いた作品です。
鶴の胴体の楕円の表現の豊かさと面白さ
鶴を真後ろから捕らえる構図の奇抜さ
墨だけで描いたとは思えない表現の豊かさで、何分でも見ていられます。
みどころ③ 生き物たちの楽園
若冲の「鳥獣花木図屏風」もお披露目されています。
美術館のガラスケースがいっぱいになる巨大な作品。
その中に、象や虎、鳳凰など生息地も違えば、実在する動物・伝説の動物が入り交じっています。
それはまさに「生き物の楽園」と言う言葉がふさわしい作品です。
これだけでも紹介するに値する作品ですが、それだけに収まらないのが伊藤若冲の恐ろしいところ
「鳥獣花木図屏風」は、パッと見たときにモザイク画のように見えます。
なんとこの作品には「枡目描き」というとんでもない技法が使われているのです。
作品全体を載せているチラシでは小さすぎて気づきませんが、画面全体に「正方形」が描かれているのです。これが「枡目描き」という技法です。
その「枡目描き」の正方形の中には、さらに小さい「正方形」が描かれています。
正方形の中の小さい正方形は、フリーハンドで描かれたようです。
・・・
・・・
え? 若冲って変態なの?
すみません、取り乱しました・・・。
しかしそのくらいぶっ飛んでいる作品です。
ちなみに、正方形の数は片方の屏風で約42800個だそうです。(両方合わせて約85600個・・・)
「枡目描き」は、西陣織の織物の図案「正絵」に影響を受けているのではないかとキャプションに書いてありました。
パキッとした空の青が現実から離れた幻想の世界観を演出するとともに、とりわけ大きく描かれた”実在の動物の王 ゾウ”、”空想の動物の王 鳳凰”の存在を引き立てているなあという印象を受けました。
右と左の屏風に分かれて「ゾウ」と「鳳凰」が描かれているのも、構図が考えられている印象ですね。
江戸時代に描かれたとは思えないようなモダンさを感じる絵です。
みどころ② 湖龍斉の超絶技巧
皆さんは、磯田湖龍斉という画家をご存じでしょうか。
美人画を好きな方は何点か作品を見たことがあるかもしれません。
礒田 湖龍斎(いそだこりゅうさい、享保20年〈1735年〉- 寛政2年〈1790年〉?)とは、江戸時代中期の浮世絵師。鈴木春信亡き後の安永から天明期(1772-89年)に活躍し、特に柱絵を得意とした。
Wikipediaより
磯田湖龍斉は、鈴木春信風の作品をたくさん残しています。
「あれっ?春信かな?」と思って作者を確認すると、磯田湖龍斉ということがあります。
「江戸絵画の華」展では、磯田湖龍斉の「雪中美人図」が展示されています。
木から落ちてくる雪の描き方。 ”サァー”という音が聞こえてきそうです。
この絵の前に立つと、なんとも言えない雰囲気が漂っていて、ずっと絵の前に居たくなります。もう一度見たい!!
グッズ情報
いつものようにポストカードをお土産に買ってきました。
伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」(右隻と左隻で一枚ずつ)、磯田湖龍斉「雪中美人図」です。
一枚100円です。値上げばかりの時代にありがたい値段設定です。
江戸絵画の華 まとめ
東京の出光美術館で2023年1月7日~3月26日まで開催されている「江戸絵画の華」展について感想を書きました。
若冲を中心として、江戸絵画の奥深さを感じられる展覧会となっています。
第1部は終わってしまいましたが、第2部は間に合います。酒井抱一や円山応挙などのビックネームが目白押しです。
江戸絵画の華 概要
会期:第1部 2023/1/7(土)~2023/2/12(日)
第2部 2023/2/21(火)~2023/3/26(日)
会場:出光美術館(東京都)
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(ただし1月9日は開館)、1月10日、2月13日~20日
料金:一般1200円 高校・大学生800円 中学生以下無料