国立西洋美術館で開催中の「キュビズム展 美の革命」に行ってきました!
みなさん、「キュビズム」というと、「なんだかよくわからない」「なにがかいてあるの?」「なんかカクカクしている」「なんだか難しい」というイメージを持っていると思います。
かく言うわたしも10年以上美術展に通っていますが、キュビズムというものを正直全く理解していませんでした。
なので、今回のキュビズム展も見送ろうかと思っていたのですが、行って大正解!!
ブログを書こう!!という気持ちにまでなりました\(^o^)/
皆さんもこのブログを読んで、キュビズム展に興味を持っていただけたら嬉しいです。
では、さっそくレビューをしていきたいと思います。
今回のキュビズム展について
今回のキュビズム展は、50年ぶりの大型展覧会になっています、
パリのポンピドゥーセンターから50点以上が日本初来日となっています。
チラシから今回の概要を載せてみます。
20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックという2人の芸術家によって生み出されたキュビズムは、西洋美術の歴史にかつてない変革をもたらしました。その名称は、1908年にブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来します。伝統的な遠近法や陰影法による空間表現から脱却し、幾何学的に平面化された形を用いて画面を構成する試みは、絵画を現実の再現とみなすルネサンス依頼の常識から画家たちを解放しました。キュビズムが開いた新しい表現の可能性はパリの若い芸術家たちに衝撃を与え、瞬く間に世界中に広まり、以後の芸術のの多様な展開に決定的な影響を及ぼします。
本展は、ポンピドゥーセンターと国立西洋美術館という、日仏の代表的な国立美術館の共同企画による、日本でなんと約50年ぶりの「キュビズム」の大型展覧会です。初来日作品50点以上、約140点を一堂に集めて、20世紀美術の真の出発点となったキュビズムの全貌を明らかにします。
キュビズム展 チラシより
ポンピドゥーセンターとは
今回の作品の大部分は、パリのポンピドゥーセンターからやってきます。
ポンピドゥーセンターとは・・・
パリ4区のサン=メリ地区にある総合文化施設である。1969年に、近代芸術の愛好家でもあったジョルジュ・ポンピドゥー大統領 (1969-1974) が、首都パリの中心部に造形芸術のほか、デザイン、音楽、映画関連の施設および図書館を含む近現代芸術拠点を設ける構想を発表。1977年にヴァレリー・ジスカール・デスタン大統領により落成式が行われた。設計を手がけたのは建築家レンゾ・ピアノ、リチャード・ロジャースおよびチャンフランコ・フランキーニ(フランス語版)である。
Wikipediaより
ポンピドゥーセンターは、美術館だけではなく、様々な文化施設が集まった場所なのですね。
ポンピドゥーセンターの近代美術のコレクションはヨーロッパ最大、世界でも二番目のコレクションを所蔵しています。
期待が高まります!
キュビズム展 章構成
今回のキュビズム展の章構成は全14章になります。
- キュビズム以前ーその源泉
- 「プリミティヴィスム」
- キュビズムの誕生ーセザンヌに導かれて
- ブラックとピカソーザイルで結ばれた二人(1909ー1914)
- フェルナン・レジェとフアン・グリス
- サロンにおけるキュビズム
- 同時主義とオルフィスムーロベール・ドローネーとソニア・ドローネー
- デュシャン兄弟とピュトー・グループ
- メゾン・キュビスト
- 芸術家アトリエ「ラ・リッシュ」
- 東欧からきたパリの芸術家たち
- 立体未来主義
- キュビズムと第一次世界大戦
- キュビズム以後
キュビズムの始まりから終わりまで網羅しています。
さすがヨーロッパで最大のコレクションを持っているだけあります。
次からみどころ紹介になりますが、会場では作品の「私的利用OK」となっていましたが、「私的利用」の範囲が難しいので(しかもピカソの著作権は生きているので)、今回は画像なしでみどころを紹介していきます。
気になった作品があったら、キュビズム展のHPに作品がありますので、確認してみてください。
みどころ① 約50年ぶりの大回顧展
展覧会のチラシにも大々的に書かれている通り、今回のキュビズム展は約50年ぶりのキュビズム大回顧展になります。
ポンピドゥーセンターはキュビズムの作品を多数所蔵しており、キュビズムを知る絶好の機会となります。
初来日の作品が50点以上、作品数は140点以上で、見ごたえばっちりの展覧会です。
みどころ② キュビズムの流れがわかる
今回のキュビズム展は、キュビズムの起こる前からキュビズム初期~後期とキュビズムの変遷にそって展示がされています。
そのため「キュビズムって難しい」「なんかよくわからない!」と思っている方でも、キュビズムの流れを理解することができます。
かくいう私も、キュビズムは「なんか四角い感じ」という印象しか持っていませんでしたが、キュビズムの初期作品とキュビズムに影響を与えたセザンヌやルソー、アフリカやオセアニアの造形物を一緒に観ることで、「これに影響されたからキュビズムは生まれたのか!」と理解することができました。
ピカソがアフリカやオセアニアの彫刻から影響されて制作されてできたのが「女性の胸像」です。
縦長の輪郭、印象的な目元がアフリカなどにある木でできた仮面に似ています。
キュビズムが少し進むと「肘掛け椅子に座る女性」のように皆さんのよく知る表現と近くなってきます。
人を描いていることはどことなくわかるのですが、「女性」とまでは識別できなくなっています。これ以降キュビズムはより抽象的になっていき、理解の難しい表現になっていきます。
しかし、キュビズムの変遷を知ることで、キュビズムがなぜあのような表現方法に至ったのかは理解することはできると思います。
みどころ③ キュビズムの多様な影響がわかる
ピカソとブラックがキュビズムを始めたあと、キュビズムはさまざまに展開していきます。
フェルナン・レジェ、フアン・グリス、ロベールとソニア・ドローネーらがキュビズムをさらに発展させていきます。
そして、キュビズムの手法を交えて新たな表現をしていくマルク・シャガールなど、個性的な芸術家たちがでてきます。
そして、第一次世界大戦という非常事態の中でもキュビズムは無くならず、ル・コルビュジエらのピュリスム(純粋主義)などに影響を与えます。
個人的には、デュシャン=ヴィヨンらの「メゾン・キュビスト」は印象に残っています。
外観も内装も素敵でした。
おすすめ書籍
キュビズムに興味を持った方へのおすすめの書籍の紹介です。
まずは、キュビスムをより深く知ることができる本。
キュビズムといえばこの方。
混雑状況とグッズ情報
私は会期前半、平日の15時過ぎに行きました。
入口付近は少し混雑していましたが、後半になるにつれて空いてきて、ゆっくりとみることができました。作品の写真も、後半の方がゆっくりと撮ることができます。
ポストカードは一枚150円です。
キュビズム展 まとめ
国立西洋美術館で開催されている「キュビズム展 美の革命」についてレポートしてみました。
キュビズムを好きでなかった人も、キュビズムを理解することができる貴重な機会になっています。
ぜひ会場で作品をご覧になってくださいね!!
キュビズム展 開催情報
会期 | 2023年10月3日(火)~2024年1月28日(日) |
会場 | 国立西洋美術館 |
開館時間 | 9:30~17:30 |
休館日 | 月曜日(ただし、10月9日(月・祝)、1月8日(月・祝)は開館) 10月10日(火)、12月28日(木)~12月31日(日)、1月9日(火) |
料金 | 一般2200円 大学生1400円 高校生1000円 中学生以下無料。 |
巡回予定 | 2024年3月20日(水・祝)~7月7日(日) 京都市京セラ美術館 |