東京国立博物館で開催されている「東福寺」展に行ってきました!
「オールアバウト東福寺!」の宣伝文句通り、本当に東福寺のお宝が全て展示されている展覧会になっています。
早速紹介していきます!
東福寺について
「東福寺」というお寺は聞いたことはあっても具体的に知らない方もいると思います。
東福寺は紅葉の名所として知られ、京都を代表する禅寺(禅宗のお寺)の一つです。
鎌倉時代前期に摂政の九条道家が発願し、中国で修行をした円爾(聖一国師)を開山に迎えて建てられました。およそ800年の歴史を持つ臨済宗のお寺です。
「東福寺」のn名前の由来は、奈良の「東大寺」と「興福寺」から一字ずつとって名付けられました。
お寺の中には国宝や重要文化財に指定された建築物もあり、「東福寺の伽藍面(がらんづら)」として知られています。
度々火災で建物が焼失していますが、これだけたくさんの文化財が残っていることは奇跡ではないでしょうか。
「東福寺」展について
「東福寺」展では、東福寺のお宝をまとめて紹介する初めての試みになります。
目玉はなんと言っても、修復後初めてのお披露目となる明兆作「五百羅漢図」です。
「五百羅漢図」以外にも、展示替えをしながら208点の東福寺のお宝たちが集合します。
東福寺の有名な「通天橋」の復元もあり、実際に東福寺に参拝している気分を味わうことも出来ます。紅葉のパネルが展示してあって、とても綺麗でした!
東福寺展 章構成
東福寺展は以下の章構成になっています。
- 第1章 東福寺の創建と円爾
- 第2章 聖一派の形成と展開
- 第3章 伝説の絵仏師・明兆
- 第4章 禅宗文化と海外交流
- 第5章 巨大伽藍と仏教彫刻
それでは、東福寺展の見どころを3つ紹介します。
みどころ① 明兆の魅力
吉山明兆(きっさん みんちょう)は、東福寺にいたお坊さんで絵描きさんでもあった方です。
江戸時代まではあの雪舟とも並び称されるほどに有名な方でした。
お寺の中では、仏殿の荘厳(仏像や仏堂を飾ること)などを行う殿司職を務めたことから「兆殿司(ちょうでんす)」とも通称されます。
なるほど、お寺のなかでこういう立場にいたからこそたくさんの作品が残っているわけですね。
東福寺の大きな建物にも負けないパワーのある作品をたくさん残しています。
「四十祖像」は、室町時代に描かれたとは思えないような色鮮やかさが残っています。
みどころ② 五百羅漢図
今回の東福寺展の一番の目玉の展示になる「五百羅漢図」
若き明兆の代表作です。
全50幅の大作で、一幅に10人の羅漢(悟りをひらいた高僧)が描かれています。
東福寺に45幅、東京・根津美術館に2幅が現存しています。
今回の展覧会がきっかけで、行方不明だった50幅目の作品がロシアのエルミタージュ美術館にあることが判明したそうです!
時を超え、海を越えて大切にされてきた作品、、、ロマンがありますね~
東福寺にある五百羅漢図は、14年もの月日をかけて4つの工房約70名の人たちが関わる修復作業だったようです。
会場内には修復の様子や修復を終えた作品を祝う儀式の様子も映像で流れていました。
修復作業によって、ものすごく綺麗になったんだな~と思いました。
展示の方法も面白く、「水官さん、いらっしゃい」などそれぞれの作品の内容を示す題名と、4コママンガの解説がついていました。
作品をより身近に感じられる展示方法で好感が持てました。
みどころ③ 圧巻の墨跡
東福寺展には、たくさんの墨跡が出品されています。
その中でも紹介したい作品が3つあります。
1つ目が、「禅院額字并牌字(ぜんいんがくじならびにはいじ)」です。
こちらは、開山・円爾の師匠である無準師範と張即之の作品で、全国の禅院に掛かっている扁額のお手本になっている書風です。
みなさん1度は目にしたことのある、「ザ・お寺」という感じの書風です。
キリッとしていて勢いがありカッコイイ!の一言に尽きます。
2つ目が、円爾が書いた「遺偈(ゆいげ)」です。
「遺偈」とは、禅宗の僧が死ぬ間際に書く自分の感情や人生の教訓などを記したものです。
品の良い字で、円爾が最後まで誇りを持って生きてきたことが窺えます。
3つ目が、虎関師鎌が書いた「虎 一大字」です。
虎関師鎌とは、円爾の孫弟子で東福寺第15代住職を務めた方です。
文字?絵?にも見えるこの作品は、時空を超えて虎関師鎌が禅問答をしてきているような感覚になります。
私は、最初に見たときにはカエルのように見えました。しかし、よくみると画面の左側に長い尻尾のようなものを見受けられたので、虎に見えてきました。
みなさんは、「虎 一大字」を見てどのように感じたでしょうか?
撮影コーナー
最近はどこの展覧会もSNSにUPできるように撮影コーナーが設けられています。
東福寺展では「通天橋」と「旧本尊コーナー」の2カ所が撮影可能です。
こちらの仏像は旧本尊の光背にあらわされた化仏の一つで、現在は南光院に本尊として祀られています。
こちらは展覧会のグッズにもなっている旧本尊の左手です。
立てた状態で展示されていますが、本来は左膝の上に手の甲を下にしていました。
左手の大きさがこれだけあると、全体の大きさはものすごかったことが想像できます。
グッズ情報
グッズはポストカードが1枚165円でした!
大きいものだと275円のポストカードもありました。
チケットホルダーもあり、こちらは550円です。
会期序盤の平日限定で1日2000枚限定のオリジナルホログラムステッカーもゲットしました!
2000枚もあったので、14時過ぎに入場してもいただくことが出来ました!
平日最高\(^o^)/
オリジナルホログラムステッカー
4月中の一部の土日にも1日500枚限定で配布するようです。
東福寺展 まとめ
東京国立博物館で開催されている「東福寺」展について感想をまとめました。
京都の大禅宗寺院の初めての大規模な展覧会になっています。
見ればきっと、スケール感とパワーに圧倒されること間違いなしです。
皆様も是非ご覧ください!!
東福寺展 概要
会期:2023/3/7(火)〜2023/5/7(日)
会場:東京国立博物館 平成館
時間:9:30〜17:00
休館日:月曜日(ただし、3/27、5/1は開館)
料金:一般2100円 大学生1300円 高校生900円
巡回予定:京都国立博物館(2023/10/7(土)~2023/12/3(日))