「国宝 東京国立博物館のすべて」に行ってきました!
上野の東京国立博物館にある国宝89件すべてが展示されるとあり、とても話題になっている展覧会になっています。
ちなみに、東京国立博物館の略称は「東博(トーハク)」です。
これから行く人のために申し上げると、日時指定チケットを設けているのにも関わらず、入り口では長蛇の列が待ち受けています(T_T)
しかし、その長蛇の列を覚悟しても行く価値のある展覧会です。
一部屋すべてが国宝という体験は筆舌に尽くしがたいほど圧巻でした。
早速紹介していきたいと思います。
国宝 東京国立博物館のすべてについて
まず、「国宝展」が開催されるきっかけをお話します。
なんと今年は東京国立博物館の創立150年という記念の年で、創立150年の記念事業の一環で行われることになった展示になります。
150年の間に収蔵された作品は約12万件。とてつもない数です。
その中に国宝は89件!
この「国宝展」では、期間中そのすべてを公開するという趣向になっています。
特に刀剣は、日本最多を誇る19件を一気に見ることができます。
タイトルの89と150という数字は、「89件の国宝」「150年の歴史」ということです!
ところで国宝って?
先ほどから国宝という言葉を何度か使っていますが、そもそも国宝とは?国宝ってどうやって決まるの?ということについてお話していきます。
国宝とは・・・
建造物,絵画,彫刻,工芸品,書跡,典籍,古文書,考古資料,歴史資料などの有形の文化的所産で,我が国にとって歴史上,芸術上,学術上価値の高いものを総称して有形文化財と呼んでいます。(中略)国は有形文化財のうち重要なものを重要文化財に指定し,さらに世界文化の見地から特に価値の高いものを国宝に指定して保護しています。
文化庁HPより
国宝についてもっと知りたい方は、文化庁のHPをご覧ください。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_bijutsukogei/
ブログにもまとめてみました!
つまり国宝とは、世界的に見ても価値の高い文化財ということになります。
そして国宝に指定されるには、その前段階として重要文化財に指定される必要があるということです。
令和4年10月1日現在、国宝(美術工芸品)の数は、902件。
未来の国宝である重要文化財(美術工芸品)は10820件。
これだけあれば、あなたの身近にも「国宝」や「未来の国宝」があるかもしれませんね!
国宝 東京国立博物館のすべて 章構成
国宝展は2つの部に分かれています。
- 第1部 東京国立博物館の国宝
- 絵画
- 書跡
- 東洋絵画
- 東洋書跡
- 法隆寺宝物
- 考古
- 漆工
- 刀剣
- 第2部 東京国立博物館の150年
- 第1章 博物館の誕生
- 第2章 皇室と博物館
- 第3章 新たな博物館へ
第1部では、東京国立博物館が所蔵する国宝を見ることができます。
何度も言いますが、見渡すがぎり国宝というのは、本当に圧巻です!
みどころを紹介していきます。
みどころ① 刀剣の国宝が集結
創立150年を記念するにふさわしい、東京国立博物館の国宝89件が一気に見られるまたとないチャンスになります。
特に注目すべきは刀剣です。会期中は、東京国立博物館にある全19件の刀剣の国宝を、いつでも見ることができます。
刀剣をあまり知らない人でも、一度は名前を聞いたことのある方も多い「三日月宗近」も展示されています。(私も名前だけ知っていました。)
三日月宗近の「三日月」という名前の由来は、刃の縁に三日月形の模様が入っていることから付けられています。
近寄って色々な角度から見てみると、三日月の模様がはっきりと見ることができ、その美しさに目を奪われます。
また、これほどの数の刀剣を一度に目にすると、野性味の強い刀、品のある刀など、それぞれの個性も分かります。
アニメの影響で刀剣にハマり、「刀剣女子」という言葉も出来る理由が分かったような気がします。私も遅ればせながら、刀剣の魅力に気づきました。
みどころ② だれもが知っている作品に出会える
今回展示される作品の中には、誰もが知っている作品にも会うことができます。
雪舟の「秋冬山水図」や長谷川等伯「松林図屏風」など、教科書に載るような作品がたくさん展示されます。
撮影可の誰もが知っている作品にも会えます。
そう、おなじみの「見返り美人図」です!
長谷川等伯の「松林図屏風」は初めて生でみましたが、ぼんやりと浮かび上がる松の雰囲気がよく感じ取れ、余白があることによって静謐な雰囲気を一層引き立てているのだと思いました。
また、尾形光琳の「風神雷神図屏風」も展示されています。
この作品はなんと、俵屋宗達の代表作「風神雷神図屏風」を模写したものになります。
模写とはいえ、尾形光琳の描いた作品。風神と雷神が今にも動き出しそうな雰囲気です。
真ん中が余白になっていることで、鑑賞者の視線を二人の神様に集中させることになり、より神様が生き生きとしているように感じるのではないかと思いました。
松林図屏風にも風神雷神図屏風にも、「余白の美」という日本独特の美意識を感じることが出来ました。
みどころ③ 過去そして未来へ
第2部では、東京国立博物館の長い歴史を物語る作品がたくさん展示されています。
東京国立博物館の始まりである「湯島聖堂博覧会」を描いた錦絵もあります。
湯島聖堂博覧会では、美術工芸品だけでなく動植物や鉱物の標本なども展示され、中でも名古屋城の「金のシャチホコ」が人気だったそうです。
そして、東京国立博物館は皇室とのつながりもあります。
それを示すのが渡辺省亭の「赤坂離宮花鳥図画帖」です。
迎賓館赤坂離宮(もとは東宮御所)と東京国立博物館の表慶館は、片山東熊の設計・総指揮です。
「赤坂離宮花鳥図画帖」は、赤坂離宮花鳥の間の内壁を飾る七宝額の下絵になります。
渡辺省亭らしく、柔らかくて豊かな色彩が印象的です。
そして番外編として、国宝展の会場の外になりますが「未来の国宝 ー東京国立博物館 彫刻、工芸、考古の一品ー」という特集が本館にて行われています。
こちらは9/6~12/25まで展示されています。国宝展のチケットがあれば、そのまま無料で見ることができます。
グッズについて
入り口で「国宝スタンプラリー」の台紙と「国宝カード」をいただきました。
このようなカードを手にするのは何十年ぶりでしょう。大人になって手にしても、テンション上がりますね!
国宝カードは全部で89種あります。
カードの表にはシールが貼ってあるので、めくるまでどの国宝と出会えるのか分かりません。
「あの国宝かな」「この国宝がいいな」と、ドキドキしながらめくってみると、私は10/18~11/13まで展示されている「王勃集 巻第二十九・三十」をいただきました!
カードで当たった作品は、次に行く時にさらによく見てみようという気持ちになります。
期間①(10/18~10/30)、②(11/1~11/13)、③(11/29~12/11)の全てのスランプを集めると、「東博国宝博士認定書」をもらえるようです。
さらに、抽選で50名の方に「国宝カード全89種セット」が当たるそうです。
いつも美術展に行ったときに買うポストカードは、1枚154円でした。
まとめ
東京国立博物館で開催されている「国宝 東京国立博物館のすべて」についての感想でした。
国宝に指定されているものの中には、平安時代11世紀に作られた作者不詳の作品もあります。
作者の方は1000年後、自分の作品が国の宝になるなんて想像もしていなかったでしょう。
そして、作品を1000年間大切に守ってきた人々の努力を思うと、頭が下がると同時に悠久の時を経たロマンを感じます。
1000年後も国宝達が大切に守り継がれ、多くの人を感動させることを願ってやみません。
東京国立博物館には、入り口などに大きな募金箱があります。
募金をすれば、あなたも立派な芸術の庇護者です。
またトーハクに行った時は募金しよーっと!!
国宝 東京国立博物館のすべて 概要
会期:2022/10/18(火)~2022/12/11(日)
会場:東京国立博物館
時間:9:30~17:00 ※金曜日・土曜日は20:00まで開館
休館日:月曜日
料金:一般2000円・大学生1200円・高校生900円