2024年、早くも3か月が過ぎ去ろうとしています。
月日が経つのは本当に早いですね。
前回はメモリアルイヤーの作曲家をご紹介しました。
今回は2024年にメモリアルイヤーを迎える画家を紹介していきたいと思います。
「メモリアルイヤー」とは、生誕や没後に区切りとなる記念の年を指しています。
5年単位や10年単位が多いでしょうか。
有名画家ですと、メモリアルイヤーには、記念の年を迎える画家にフォーカスした展示が多数企画されます。
今年注目の画家になります。
5年単位、10年単位ですと紹介しきれないので、今回は50年単位で紹介しています。
苦戦しながら調べたので、ミスがありましたら教えていただけると幸いです。
では、さっそく行きましょう!
2024年にメモリアルイヤーを迎える画家たち
まずは、生誕記念の画家たちからいってみましょう!!
生誕記念の画家
今年生誕記念のメモリアルイヤーを迎える画家はこちら
画家名 | 出身国 | 生年 | 生誕 |
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ | ドイツ | 1774 | 250年 |
ジャン=レオン・ジェローム | フランス | 1824 | 150年 |
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ | フランス | 1824 | 150年 |
菱田春草 | 日本 | 1874 | 150年 |
一人ずつ簡単に紹介していきます。
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒは、ドイツの画家です。
ドイツのロマン主義絵画を代表する画家で、宗教的意味をふくんだ風景画によって知られています。
こちらは、「Ships at Anchor (停泊中の船)」という作品です。
フリードリヒは海を題材にした作品を多く制作していますが、明るく開放的な作品よりも、「Ships at Anchor」のようにほの暗く、静けさのある作品を残しています。
ジャン=レオン・ジェロームは、フランスの画家・彫刻家です。歴史や東方(オリエント地域)の題材を得意としました。
こちらは「The Carpet Merchant(絨毯職人)」という作品です。
絨毯の柄や人物の衣装、よく観察して描かれたものだと思います。
ジェロームは教育者としても活躍していて、何人もの弟子がいます。
その中には、メアリー・カサット、オディロン・ルドンの名前もあります。
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌは、19世紀のフランスの画家です。
シャヴァンヌの絵の特徴は、立体感や陰影を抑えた平面的な作風です。
こちらは、「The Poor Fisherman(貧しき農夫)」という作品です。
シャヴァンヌの絵の特徴がよく表れている作品です。
菱田春草は、明治の日本を代表する画家の一人です。
従来の日本画に欠かせなかった輪郭線を無くした無線描法を試み「朦朧体」(もうろうたい)と揶揄されました。
こちらの作品は、「猫梅」という作品です。
「朦朧体」が使われています。
菱田春草は「黒き猫」という作品が大変有名です。
没後記念の画家
2024年に没後〇〇年を迎える画家はこちら
画家 | 出身国 | 没年 | 没後 |
狩野探幽 | 日本 | 1674 | 350年 |
英一蝶(はなぶさ いっちょう) | 日本 | 1724 | 300年 |
ピエール・ピュヴィス・シャヴァンヌ | フランス | 1824 | 200年 |
富岡鉄斎 | 日本 | 1924 | 100年 |
福田平八郎 | 日本 | 1974 | 50年 |
それでは一人ずつ紹介簡単に紹介します。
狩野探幽は、江戸時代初期の狩野派(江戸狩野)の絵師です。なんと「唐獅子図屏風」で有名な狩野永徳の孫にあたります。
先日京都に旅行に行ってきました。泉涌寺に「楊貴妃観音」を目当てで伺ったのですが、仏殿に探幽の「雲龍図」「飛天図」「白衣観音図」があったのです!
ちょうどこの記事の下書きを書いていた時だったので、「おお!没後350年!」と感動しました。
京都は美術作品の宝庫なので、こういうたまたまの出会いがあるのもよい体験です。
英一蝶(はなぶさ いっちょう)は、日本の江戸時代中期(元禄期)の画家、芸人です。
「芸人!?」と思う方もいらっしゃると思いますが、一蝶は吉原通いがきっかけで「幇間」というお座敷で芸を見せたり、芸者、舞妓と一緒に場を盛り上げる男の芸者をしていました。
最初は狩野探幽の弟・安信に師事していますが、菱川師宣や岩佐又兵衛らに触発され、絵画制作をするようになります。
こちらの作品は「仙人」という作品です。
英一蝶は、9月18日からサントリー美術館にて没後300年記念の展覧会が開催される予定です。
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/future.html
英一蝶の魅力が詰まった展示になりそうです。
富岡 鉄斎は、明治・大正期の文人画家、儒学者、教員です。
「最後の文人画家」といわれた鉄斎は、若い頃から国学や陽明学を学び、深い知識に裏打ちされた作品を残しています。
こちらは「蓬莱山」という作品です。
「蓬莱山」とは古代中国で仙人が住むとされていた場所で、不老不死の薬があるといわれていた場所です。
「自分の絵を見るときは、まず賛文を読んでくれ」との言葉を残している鉄斎ですが、こちらの作品にも賛文(絵画に書き込んだ詩文)が書きこまれています。
富岡鉄斎は、4月2日から京都国立博物館で没後100年の展覧会が開催されます。
https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionarchive/2024/457.html
没後50年の福田平八郎は大分県出身の画家です。
没後50年ということで、大阪中島美術館で回顧展が2024年3月9日~2024年5月6日まで開催されています。
メインビジュアルの「漣(さざなみ)」もそうですが、デザイン的な絵画が特徴です。
また、詳細はまだ公開されていませんが、9月には東京の山種美術館でも没後50年ということで特別展が企画されているようです。
https://www.yamatane-museum.jp/exh/schedule.html
福田平八郎を詳しく知るよいきっかけとなりそうです。
2024年 メモリアルイヤーを迎える画家 まとめ
2024年にメモリアルイヤーを迎える画家を紹介してきました。
メモリアルイヤーということで、多くの画家の回顧展が開かれることになっています。
気になった画家の展覧会には是非足を運んでみてくださいね!